玩具修理者

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

表題作『玩具修理者』と『酔歩する男』が収録されてる短編集。
玩具修理者は微妙。身体の部位をただ並べてるだけで表現も口調も単調だし、グロいなって以外は特に感想無し。
酔歩する男が良かったです。今年の短編大賞☆
失恋した男が脳内処理でタイムトラベルする話で、読むと一緒に時間の渦に巻き込まれて頭がくらくらする。設定にちょっと無理があるし文章も稚拙だけど、読む価値は十分にあると思う。
両方ともどこがホラーなのかよく分からなかったので、ホラー苦手な人でも大丈夫だと思います。
以下ネタバレ。

酔歩する男、読み終わって冷静に考えると相当変。
脳を処理して時間の感覚を失ったからといって、身体まで『脳を処理した以前』にトリップするモノだろうか。
その以後ならば実際に体験したものを時系列バラバラに脳が記憶として繋いだって事で納得出来るけど、もう40の男が浪人生時代に身体も一緒に若返るとは考え難い。過去に実際に起きた事を順番バラバラに再生するってだけなハズで、同じ日が何度も違う結果に収束することはあり得ない気がする。トリップするのはあくまで脳内で、身体に蓄積した加齢は覆すことが出来ないはずだけど…。
シノダの脳内だけでトリップして身体は動いていないのかと思ってたけど、そうすると第三者視点から始まることがおかしいし…。ホラーだからってこういうこと?汗
作品は素晴らしかったけど。私の理解力が足りないだけかなぁ…。