神様のボート

神様のボート (新潮文庫)

神様のボート (新潮文庫)

タイトルと装丁が気に入ってる。
私は特に江國さん好きなわけではなく、よく言われる『すっとしみこんでくる感覚』を感じた事も無いし、まさに可も無く不可も無くな感じなんだけど(でも何故かよく手に取る)、この作品は好きです。
愛する事でじわじわとくる狂気が感じられて、読むたびにぞわぞわして哀しさと幸せが入り交じった変な気分になる。のがすごく好き。

↓ネタバレではないけどまだ読んでない方は見ない方がいいです、先入観になるかも
ラストですが、私は絶対葉子さん自殺派。それか完全におかしくなって見た幻想かどっちか。その方がそれまでの狂気と草子の不安が合わさって妙な盛り上がりを感じるので…。それに、葉子さんにはそのくらい狂っちゃってて欲しい。
…のだけど、未来に対する記述があるからやっぱりハッピーエンドなのかなぁ…。それはそれで幸せな物語だと思うけど、バッドエンドの方が似合う気がしませんか…?(誰に聞いてるんだ)